車の内部に水滴や浸水が発生するという現象は、案外多いと感じます。また、ヘッドライト内部に水滴が発生してしまうと、夜間運転などに支障をきたすだけでなく、車検なども受からなくなってしまいます。
では、ヘッドライト内部に水滴などが発生した際に良く行われる「からわり」という作業は、DIYでも可能なのでしょうか?
今回は、ヘッドライト内部に水滴・浸水した際の「からわり」はDIYで可能なのかや、方法などについて説明してみます。
ヘッドライト内部が水滴・浸水している!?「原因は?」
ここでは、ヘッドライトに水滴や浸水が発生した際の原因究明に関して話してみます。
ヘッドライトレンズと本体の接合部から浸水
明日仕事終えれば七連休。
とりあえずヘッドライトから割して
ニコイチヘッドライト作ろう。 pic.twitter.com/xVjPpEflig— 五十嵐(ひまけん) (@Notenkey_kazu) April 27, 2022
ヘッドライトは、現在レンズ部分もポリカーボネートという樹脂でできている車がほとんどだと思います。昔は、ガラスでできていたのですが、現在は接触時の損害拡大防止や軽量化などを目的として、こういった素材に変更されています。
レンズ部分とガラス部分は、粘着性の高い樹脂接着剤や、ブチルなどの水分にも強い素材が採用されています。しかしながら、経年劣化などによってこの接着能力が落ちてしまうことがあります。簡単に言うと、隙間ができてしまうという事です。
こういった隙間から水分が侵入してしまい、ヘッドライト内部に水滴が付いたり、浸水してしまったりする現象が起きます。
バルブ挿入口や湿気除去用ダクトから浸水
ヘッドライト本体には、ヘッドライトバルブやスモールバルブ、ウィンカーバルブなどが取り付けられています。このバルブソケットには、パッキンが採用されている車種が多いのですが、パッキンの劣化などによって、水分が侵入する結果となります。
また、ヘッドライト本体には、水分を効率的に抜くためのフィルター付きの穴が開いています。このフィルターは、中からの湿気を排出し、外からの水分は進入させないという構造になっています。
そのフィルターが欠損したり、機能不全になっていることで、排出するための場所から浸水するケースがあります。
事故などでヘッドライト本体が割れていて浸水
こちらは、ユーザー側の過失や修理側の修理ミスの可能性が高いのですが、事故などによってヘッドライト本体部分などを破損してしまうケースがあります。
パッと見では、損害がないように思えても、ヘッドライトを止めているブラケット部や、下側が割れてしまっているケースが良くあります。発見した場合は、ヘッドライトを交換するのが一番の解決策だと感じます。
ヘッドライト内部が水滴・浸水している!?DIYで「からわり」
ここでは、最初に説明したレンズ部と本体部に隙間などができてしまい、そこから浸水したときなどに必要となる、「からわり」の作業について説明します。
ヘッドライトを温めてあげる
「からわり」作業の第一段階は、ヘッドライトをしっかり温めてあげることに始まります。
DIYで簡易的に作業する場合は、ヘッドライトが入る段ボールを用意します。そこにドライヤーなどの穴をあけておきます。中にヘッドライトを入れて、段ボールを密閉してあげます。穴からドライヤーを挿入し、温めていきます。
筆者の経験では、30分から45分くらいで中の温度がかなり上がり、「からわり」作業の第一弾が完了します。
もしヒートガンがあるようでしたら、作業は少し簡単になります。30㎝位離れたところからレンズと本体を接合しているところをゆっくり一周回しながら何度も温めてあげましょう。
ヒートガンの温度は、かなり高いです。ヘッドライトの樹脂が解けないように注意して作業できれば、「からわり」作業は比較的短時間で処理できると考えます。
慎重にヘッドライトと本体を分離していく
アルトのヘッドライトから割完了!
昨日夜中やって失敗したから新しいの持ってきてやったけど
やっと綺麗に出来た笑 pic.twitter.com/zcoqCqPyql— ☆ゆっき〜や☆噂の天災内科医 (@ZERO__8000) January 19, 2022
温まったヘッドライトは、冷めないうちに「からわり」の作業を行っていきます。場合によっては、爪で止まっているので、爪をおこしながら慎重にレンズと本体を分離していきます。
ここで、簡単に分離できないようであれば、温めが不十分だと感じます。再度温めることをオススメします。ここは、慎重に取り扱わないと、レンズなどが割れるという大失態になってしまいます。注意しましょう。
「からわり」した後は、建築用の変成シリコンで再度接着する
水滴や浸水しているのが、接着素材の劣化となるケースが多いです。一旦純正採用の接着剤をできるだけ取り除きます。
その後、マスキングをしっかり行い、変成シリコンシーラーなどで接着しなおして、元通りの戻してあげれば、浸水する場所がストップできると思います。
ただ、筆者の経験では、ホームセンターなどで一番安く販売されているシリコンシーラーでは、経年劣化が早いので、経年劣化が少なく強力なシーラー剤を使用することをオススメします。
近年モデルのヘッドライトなどにはからわりできないものもある
近年モデルでは、ヘッドライトに樹脂などの接着剤が使われず、レーザー式溶着を採用しているメーカーも出てきています。この場合は、温めても「からわり」できないケースになりますので、作業前にヘッドライト本体とレンズがどのように接着されているか確認しましょう。
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