ホンダといえば、レース参戦を積極的に行い、それを市販車にフィードバックしていくという手法を多く取り入れたモデルが多いと感じます。
それは、本田宗一郎という偉大な創設者の意思が強く働いていたからだといえます。そして、そのマインドは、普通車だけではなく、軽自動車にも注入されていると感じます。
では、ホンダの軽自動車でスポーツカーと呼ばれているモデルには、どのようなモデルがあるのでしょうか?ここでは、ホンダの軽スポーツカーを少し紹介してみます。
Hondaの軽自動車でスポーツカーといわれているモデル「S660」
引用:ホンダ公式HP
ホンダの軽自動車スポーツカーといえば、近年ではS660が一番思い浮かぶのではないでしょうか?
S660の諸元表など
型式 | 3BA-JW5 |
エンジン型式 | S07A |
最高出力 | 64ps/6000rpm |
最大トルク | 10.6kg・m/2600rpm |
種類 | 水冷直列3気筒DOHC12ターボ |
長×全幅×全高 | 3395×1475×1180mm |
ホイールベース | 2285mm |
トレッド前/後 | 1300/1275mm |
室内長×室内幅×室内高 | 895×1215×1020mm |
車両重量 | 830kg~850㎏ |
タイヤサイズ(前) | 165/55R15 75V |
タイヤサイズ(後) | 195/45R16 80W |
最高出力は、軽自動車の自主規制によって64psに抑えられていますが、実際にはもっと出力の出るパワーユニットが搭載されているでしょう。
ミッドシップレイアウトによって、車内空間は犠牲にされていますが、走行性能を最大限に引き出すためのシャーシや足回りに仕上げているようです。
S660の車両価格(最終型)など
グレード名 | シフト | 定員 | 価格 |
B | CVT | 2名 | 2,031,700円 |
B | 6MT | 2名 | 2,031,700円 |
a | CVT | 2名 | 2,321,000円 |
a | 6MT | 2名 | 2,321,000円 |
グレードは、Bとaという2種類に、CVTとマニュアル6Fの選択が可能になっています。スポーツカーだけに、ミッションでの価格差はない状況です。
軽自動車という狭い空間ながら、サーキット走行などもしっかり楽しめるようなモデルに仕上げています。こういった点で、他の軽自動車メーカーと違うホンダの血統が盛り込まれていると感じます。
S660の特徴や歴史など
他力本願オイル交換完了。
初たーくみぃオイルのフィーリングは楽しみですます。 pic.twitter.com/zGt0zO2Oiv
— Aero_イーマ (@Aero_s660_eMa) September 23, 2023
ホンダS660は、後で紹介するビートの販売終了後、約19年の時を経て開発・販売されたモデルです。特徴とするべきは、オープン2シーターミッドシップスポーツカーであるという点です。
旋回性能にこだわりぬくためにミッドシップレイアウトを死守しています。エンジンは、ホンダ軽自動車に搭載されているS07Aターボを改良し、S660にあうようにチューニングが施され搭載されています。ミッションは、マニュアルにはクロスミッションが組み込まれ、ワイドレンジ化が図られています。
2015年3月30日に限定販売が開始され、惜しまれつつも2022年4月25日に販売終了してしまいました。
Hondaの軽自動車でスポーツカーといわれているモデル「ビート」
引用:ホンダ公式HP
ホンダの軽自動車スポーツカーには、ビートというモデルが存在しました。こちらは、S660の開発モデルとなった車でもあります。
ビートの諸元表など
型式 | E-PP1 |
エンジン型式 | E07A |
最高出力 | 64ps/8100rpm |
最大トルク | 6.1kg・m/7000rpm |
種類 | 水冷直列3気筒SOHC12バルブ |
全長×全幅×全高 | 3295×1395×1175mm |
ホイールベース | 2280mm |
トレッド前/後 | 1210/1210mm |
室内長×室内幅×室内高 | 915×1215×1015mm |
車両重量 | 760kg |
タイヤサイズ(前) | 155/65R13 73H |
タイヤサイズ(後) | 165/60R14 74H |
ビートは、ノンターボエンジンながら64psをたたき出すモデルでした。当時の軽自動車では、ノンターボで64psというのは非常に珍しいといえます。
ホンダでは、自然吸気エンジン=ノンターボモデルで、どれだけの出力が出せるのかというのも課題にしていたため、軽自動車ではなく普通乗用車でも基本的にノンターボエンジンを搭載したスポーツカーが多かったと感じます。
ビートの車両価格(最終型)など
グレード名 | シフト | 定員 | 価格 |
バージョンZ特別・限定 | 5MT | 2名 | 1,450,000円 |
ビートは、基本的にワングレードで販売されていました。またマニュアル5Fモデルしかラインアップしていません。
オープンスタイルで、さらにミッドシップレイアウトというのが最大の特徴でした。小さいボディに短いホイールベースが、旋回性をアップさせ、当時ジムカーナや峠ではかなりの結果を出したモデルだといえます。
ビートの特徴や歴史など
ホンダビートを知って欲しいのでぱっと見のポイントをざっくり書いてみました pic.twitter.com/0IF1C3QpjB
— のりあめ (@shinunayo_oshi) September 16, 2023
量産モデルとしては、初のミッドシップモノコックフルオープンボディとして、ビートは登場しています。これだけでも当時の技術では大変なことであったと思います。
軽自動車としては、スバルに次ぐ4輪独立懸架を装備し、さらに前後ディスクブレーキは軽自動車初搭載となっていました。
ビートは、当時としてはかなり多くの新技術が搭載されたモデルであったと思います。
1991年から販売され、1996年までの5年弱という販売期間でしたが、販売終了後にビートの良さが見直されているという雰囲気があります。
さいごに、、、
ホンダのスポーツカーといえば、筆者もかなり頭に浮かぶものがあるのですが、軽自動車というフレーズが入ると、スポーツマインドを持つホンダでも数多くの車種がリリースされていたわけではないのだなと思いました。