タイヤは、車が唯一路面に設置しているパーツですね。という事は「車が走る、曲がる、止まる」のにすごく重要なパーツだと考えます。
タイヤにとって重要な要素の一つに空気圧の設定があると思います。それでは、タイヤの空気圧を高めに設定した際には、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
タイヤの空気圧を高めたときに考えられるデメリットを紹介しながら、タイヤの空気圧の正しい設定方法などについても解説してみます。
タイヤの空気圧を高め設定した際には【デメリット】
ここでは、タイヤの空気圧を高めに設定した際には、どのようなデメリットがあるのか説明します。
偏摩耗する可能性が高まる
今シーズンで戦力外のタイヤ達。こんなので走ってたのか!
空気圧高めにしてたからセンターのが摩耗してるのはわかるけど右前だけなぜか内側の摩耗がヒドイ。 pic.twitter.com/pQCYKjbfUr— かずしげ (@CBA_2BL5_ZXT00W) November 26, 2016
タイヤの指定空気圧が、220kPa(キロパスカル)だとします。そこに280kPa(キロパスカル)の空気を入れて走行した場合には、タイヤの接地面積がタイヤ中心に強くかかり、偏摩耗してしまう可能性があります。
指定空気圧よりも空気圧を高めるという事は、タイヤが予定以上にパンパンになるという事です。そのため、状況によってはタイヤセンター部分が早々に減っていく可能性が高いです。
気が付いたら真ん中だけ、減ってしまっていたなどというデメリットになる可能性もあります。注意ください。
制動距離が延びる可能性が高まる
先述しましたが、タイヤの空気を高めて走行するという事は、タイヤが路面に設置する面積が減ることになります。
例えば、205/55R17のタイヤがあるとします。指定空気圧の場合には、205㎜分の接地面積があるとします。指定空気圧よりも60kPa(キロパスカル)多く入れた場合に、185㎜分の接地面積となってしまえば、約10%の接地面積減少となります。
車のタイヤは、そのモデルによって最適なタイヤサイズになっています。それが10%ほどの接地面積減少となってしまいます。明らかに制動距離が伸びてしまうと思います。
せっかく新品タイヤを購入したのに、空気圧を高め過ぎたために制動距離が伸びてしまったなどというデメリットになりえます。
タイヤ損傷しやすくなる可能性がある
タイヤの空気圧を高めに設置するということは、タイヤの内圧が高まるということです。サイドウィール部ワイヤーが切れやすくなったり、縁石などにぶつけてしまうことでワイヤーが切れてしまったり、ヒビが入ってしまったりする可能性があります。
タイヤの空気圧を高めに設定したために、タイヤが破損するというデメリットが起こりうる可能性があると考えます。
タイヤの空気圧を高め設定した際には【高すぎは注意】
空気圧を高めに設定するといっても、いろいろな高めがあると思います。ではどのくらい高いとデメリットが大きくなるのでしょうか?
高速道路では高めが良いと言われるが・・・
昔から高速道路では、空気圧を高めに設定した方が良いとされていますが、タイヤ技術などが進化した現在では変化していないのでしょうか?
まず、これはすべての事柄に言えることなのですが、タイヤの空気圧は指定空気圧よりも低くなってはいけないという事です。一番大事なのは、指定空気圧よりも下回った状態での走行は、ダメという点だけ注意してほしいです。
そのうえで、高速道路では高めの方が良いのでしょうか?答えは、指定空気圧入っていれば、問題ないというのが結論です。
ただ、先程お話しした指定空気圧よりも下回ってはいかないというお話を思いだしてください。そのため、普段から10%未満で空気圧を高めにしておくことで安心だと考えます。
燃費向上に良い等といわれるが?
エコタイヤって、小さい力で大きく進む事で低燃費を実現するので、加速や高速性が良いんです。燃費は全然気にしてないし、乗り心地は悪いくてうるさいけど、エコタイヤ推しです。 pic.twitter.com/xao0tV1lhU
— Tamo2_isi🌗 (@Tamo2_isi) December 23, 2020
車の空気圧を高めに設定しておくことで、燃費向上に良いと言われていますが、現在のタイヤは、比較的エコタイヤとなっているケースが多いと思います。エコタイヤは、タイヤのショルダー部が丸くなり、そもそも設置面積を少し減らして燃費向上させている側面もあります。
そこに空気圧を高めに設定してしまうと、さらに設置面積が減ってしまう可能性もあります。また偏摩耗などしてしまい、タイヤ交換頻度が増える可能性もあります。
燃費向上の効果がどれくらいの費用効果になるか?ですが、タイヤ交換頻度が高まると、かえって損してしまうかもしれませんね。
指定空気圧が一番良い!又は5%から10%アップ未満にしておく
筆者は、タイヤに詳しい方に色々聞いて調査してました。
まずは、中古タイヤを販売している方に聞きました。この方の場合は、タイヤの空気圧は、普通のタイヤでも300kPa(キロパスカル)くらい入れても破損などの問題はないとの見解でした。
ただ偏摩耗とかはすごく早く発生するとの見解でした。中古タイヤ屋さんなので、重たいものを多く積むという事と、タイヤがいっぱいあるからいつでも変えられるという状況だから空気圧を高く設定していると感じました。
中古車販売やディーラーサービスの方に聞くと、基本的には、指定空気圧を基準に空気を入れていくのですが、5~10%くらい高めに設定している方が多いと思います。
これは、タイヤの空気はだんだん減っていくという基本的な考えに基づいて、ユーザーがタイヤ管理をあまりしない人でも指定空気圧以上を一定期間保てるという意味合いもあるという事です。
筆者も基本的には、指定空気圧よりも若干高めの空気圧にしています。大体240kPa(キロパスカル)指定空気圧の場合は、250kPa(キロパスカル)前後に調整しています。
高すぎの設定は、あまりメリットはないのですが、10%未満の高め設定であれば、デメリットも少ないと考えます。
エクストラロード規格の場合は注意が必要
意外と知らないヒトが多いようなので。
JATMA規格とETRTOスタンダード規格の負荷対応表です。
この他にETRTOエクストラロード(XL)規格のが別に存在します。 https://t.co/gB4YIDrFNn pic.twitter.com/4hl8qFZQCx— 休憩30分🍥 (@crewtaxi) July 8, 2023
近年では、タイヤ規格にエクストラロード規格というのがあります。このタイヤの場合は、ちょっと具合が違います。
215/45R17 87Wのタイヤがあるとします。スタンダードタイヤの場合は、空気圧10kPa(キロパスカル)で505㎏のロードインデックスとなります。
一方215/45R17 91W XLのタイヤの場合は、210kPa(キロパスカル)だと475㎏のロードインデックスしか出ません。230kPa(キロパスカル)で510㎏のロードインデックスとなります。
エクストラロードの場合は、一般的に指定空気圧よりもそもそも高めの空気圧設定にする必要があります。このタイヤの場合は、タイヤ種類にもよりますが300kPa(キロパスカル)くらいまでの空気圧にも対応できます。
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